誰にでも公平に訪れる「死」。
どんなに長生きしてたとしても、私たち人間は必ず死ぬ。
どんなに多くの財産を持っていたとしても、それを死後の世界にまで持っていくことはできない。
そんなことを考えると、いくらお金持ちになったところで意味がないのでは?と思う人もいることだろう。
もちろん、全然、そんなことを考えない人もいる。
人間、死んだら終わり、生きているうちが花。
たくさんのカネを手に入れ、いいモノ食べて、いいクルマにのって、いいオンナを・・・
そんな短絡的思考の中で生きている人も少なからずいる。
ただ、この記事を読んでいるあなたがそんな人間であるとは考えにくい。
おそらくあなたは、人間、どうせ死んでしまうんだったら、どうして生きる必要があるんだろう?
人生って、なんだか、むなしいなあ。
なんてことを、普段からついつい考えてしまうタイプの人ではないだろうか?
ソロモン王の人生に対する見解
古代イスラエル王国を繁栄へと導いたソロモン王も、そんなことをよく考えるタイプの人間だった。
彼は知恵者としても有名な人物で、こんな言葉を残している。
私は心の中で言った。「私も愚か者と同じ結末に行き着くのなら、それでは私の知恵は私に何の益になろうか。」私は心の中で語った。「これもまたむなしい」と。(伝道者の書2章15節)
聖書に納められている彼の著書の一つ「伝道者の書(コヘレトの言葉)」。
その中では、彼が人生の意味と目的を知るために、深く思索し、またそれだけではなく、様々な事業に着手してみたり、様々な快楽に身を委ねてみたりするが、そこには何の意味も見いだせなかったことが吐露されている。
最終的に彼が行き着いた結論はこうだった。
結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。神は善であれ悪であれ、すべての隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからだ。(伝道者の書12章13~14節)
上記のソロモンの結論を、伝道者の書の全体を総括して、私なりにさらに分かりやすくしてみた。
創造主(神)が定めたルールの範囲内で、日々の生活を楽しむのが人生の正しい過ごし方です。
ですから、最終的には神の定められたルールに則って生活したかどうかが問われます。
そのことを忘れないようにしてください。
ソロモンは死後の世界については明確に語っていない。
人間、死んだら終わりのように書かかれているところもあれば、そうではないように書かれていたりもする。
ただ、彼の最終的な結論を見れば、彼は死後の世界はあると信じていたとことだろう。
また、地上での人生が、死後の世界に影響を与えることを悟っていたことだろう。
キリストの人生と富(財産)に対する見解
そのことを踏まえつつ、次のイエス・キリストの教えを見てほしい。
自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。そこでは虫とさびで、きず物になり、また盗人が穴をあけて盗みます。自分の宝は天にたくわえなさい。そこでは、虫もさびもつかず、盗人が穴をあけて盗むこともありません。(マタイの福音書6章19節)
「自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい」
これは決して、貯金をするなとか、清貧を追求しろとか、そういう意味ではない。
キリストが一番伝えたいことはそこではない。
伝えたいことばは次のこと。
「自分の宝は天にたくわえなさい」
私たちは生きている期間に死後のための財産を築くことができる。
これこそ、キリストが私たちに伝えたかったことだ。
死後につながる永遠の財産
では、死後のために財産を築くためにはどうすれば?となるわけだが、その答えは実に単純。
「善い行いに生きること」
である。
聖書によると地上での財産は「善きこと」のために使うことが大切。
いや、むしろ、そのためにある。
だから、クリスチャンであるならば、財産を築こうとする時も、そのような精神を持つべきだ。
自分の欲を満たすために一財産を築いたのだけれども、なんだか人生が虚しい。
それで、他の人々の益のために財産を使うようになったところ、充実した人生を送ることができるようになったという人もおられる。
聖書の福音書に登場してくるザアカイなどはその典型的な例だろうし、現代においてもそんな人の話を聞く。
人間はそもそも自分の欲望を追求して生きていくようには造られていない。
そのような生き方をしていても一見華やかな人生を歩んでいる人もいるだろう。
しかし、そんな人たちの心の中は実に虚しい状態にあるはずだ。
ということで、もし、充実した人生を送りたいと願うなら、人の役に立つことを追求していけばいい。
そんなの聖書読まなくたって分かるよ!と思われるような月並みな答えかもしれないが、それが真実だ。
最後に
真理は私たちが思うほど難しいことではない。
むしろ、実に当たり前の中にこそ存在することが多い。
あなたに与えられている財産はなんだろう?
それは物質的なものとは限らない。
あなたに与えられている、時間、能力、体力、その他すべてが財産である。
まずは今自分にできないことではなく、自分にできることで、人の役に立つことはなんだろうか?と捜していくことをオススメする。
そして、イロイロと実践してみてほしい。
試行錯誤はあると思うが、その中で新たな道が見えてくることだろう。