「善悪の知識の木」から取って食べたとは、何を意味する?

創造主なる神によって最初に造られた人間の男女、アダムとエバ。

神は彼らを「エデンの園」に置かれた。

彼らに対して神が禁じられたことは、ひとつ。

「善悪の知識の木」から、その実を取って食べてはならない。

たった、それだけだった。

にもかかわらず、アダムとエバはそれを守れなかった。

結果、彼らはエデンの園から追放されてしまう。

これが旧約聖書の創世記3章に記されている「失楽園物語」のあらましだ。

クリスチャンでなかったら、なるほど、そんな話なんだ、ぐらいで終わるかもしれない。

しかし、敬虔なクリスチャンの場合はそれでは終われない。

クリスチャンにとって「聖書」は創造主なる神のことば。

神は聖書をとおして、人間にメッセージを与えられる。

そのメッセージをしっかりと汲み取ること。

それが、健全な信仰生活を歩む上で大切なことになるのだ。

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「善悪の知識の木」から取って食べるとは?

メッセージを汲み取るためには、たとえば「『善悪の知識の木』から取って食べる」ということについて、これは一体何を意味するのか?と考える。

実は、答えはひとつではない。

「善悪の知識」の意味するところについて、その解釈は色々ある。

「善悪の知識の木」から禁断の実を食べることによって文字通り、人間は善悪の区別がつくようになったと解釈する立場もある。

つまり、その時に人間に「良心」が与えられたと考えるのだ。

それ以前は人間に善悪を判断する良心はなかったという。

最近読んだ記事で、ユダヤ教はそのような立場で解釈すると書かれていた。

しかし、聖書が描く、その後の人類の物語を見る限り、人間はむしろ善悪の区別がつかなくなっていくように思える。

なので、個人的には「良心が与えられた」との解釈はピンと来ない。

他には「善と悪を体験として知るようになった」との解釈もできなくはない。

聖書における「悪」とは何か?

それは神に逆らうことだ。

「善」とは何か?

それは神に従うことだ。

その線に従って考えると次のようになる。

「善悪の知識の木」から実を取って食べるまで、人間は神に従うこと、つまり「善」しか知らなかった(体験していなかった)。

しかし、「善悪の知識の木」から実を取って食べた時、神の命令に逆らうこと、つまり「悪」を知る(体験する)ようになった。

この解釈は個人的には好みではある。

ただ、そうなると「見よ。人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るようになった。」(創世記3章22節)という言葉との整合性が私の中では崩れてしまう。

私自身の聖書的な神理解では、神ご自身が「悪」を体験的に知ることは不可能である。

なぜなら神ご自身が「善」だからだ。

つまり、神のなさることが「善」。

それがいくら人間の目に「悪」に見えようとも、神ご自身が「善」の規準である限り、神がなさるのことは問答無用ですべて「善」なのだ。

しかし、先程の解釈を是とすると、神も人間と同じく、善と悪の両方を体験できることになってしまう。

よって、「善悪の知識」を「善と悪を体験として知ること」とする解釈は、私好みではあるが、それを認めることはできない。

善悪を勝手に判断するようになった

ということで、「善悪の知識の木」から取って食べたことの解釈として、現時点で私が納得しているのは「人間が善悪の規準を神にではなく、自分たちに置くようになった」というものだ。

この解釈が、聖書全体の教えに調和しているように思われる。

リビングバイブルは、そのような解釈のもと翻訳している。

「園の果物はどれでも食べてよい。だが、『良心の木』の実だけは絶対に食べてはいけない。それを食べると、正しいことと間違ったこと、良いことと悪いことについて、自分勝手な判断を下すようになるからだ。それを食べたら、あなたは必ず死ぬ。」創世記‬ ‭2:16-17‬ ‭[リビングバイブル]

失楽園物語には、神のみこころではなく、自分の欲望を基準として事の善悪を判断して生きるならば、その行き着く先は滅びである、というメッセージが込められている。

このメッセージは聖書全体に一貫して流れているメッセージとも符号するので、違和感なく受け止められる。

他にも、「善悪の知識の木」から取って食べた結果、「目が開けた」とは何を意味するのか?「裸であることに気づいた」とは何を意味するのか?

エデンの園における物語からだけでも、探求すべきことは尽きない。

聖書はそもそも「信仰の書」。

神の人間に対するメッセージを意識しつつ読むことで、その面白さが倍増する。

面白さが倍増するだけでなく、神のことばの生きて働くことを体感することができる。

さらっと読んで、ふ〜ん、で終わらせてたら、いつまでたっても聖書の面白さも、神の偉大さも分からないことだろう。

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