聖書は旧約聖書の最初の書巻である「創世記」から新約聖書最後の書巻「黙示録」まで何度か通読したことはある。
そして、今現在も通読中。
聖書研究はライフワーク。
なので、聖書通読は死ぬまでの大切な習慣となる予定である。
それにしても、聖書は読む度に新しい発見があるから面白い。
新たな「気づき」という意味での発見もあれば、単純に今まで読み過ごしていた言葉を発見して、あれ?これって何だっけ?となることもある。
今回は後者のほう。
私の思いのうちにひっかかった言葉はサムエル記第二8章1節に登場する。
町の名前?地名?それとも・・・
とりあえず、その節の全文を書き出してみる。
その後、ダビデはペリシテ人を打って、これを屈服させた。ダビデはメテグ・ハアマをペリシテ人の手から奪った。(新改訳第3版)
この中で、私がひっかかった言葉は「メテグ・ハアマ」。
あれ?こんな地名ってあったっけ?
今まで、何度となく読んでいた箇所のはずなのだが、今回はなぜかこの「メテグ・ハアマ」という言葉が気になった。
ダビデがペリシテ人から奪った「メテグ・ハアマ」とは一体何なのか?
「メテグ・ハアマ」は言葉としては「首都の手綱」の意。
同じ出来事を記録している歴代誌第一18章1節では、それを「ガテとそれに属する村落」としている。
ガテとは当時ペリシテの五大都市の一つ。
歴代誌の記者は「メテグ・ハアマ」を「大都市ガテとその衛星都市」と捉えたわけだ。
それだったら、サムエル記のほうでも、最初からそう訳してくれれば分かりやすいのに、と思うが、実はこの部分、ヘブル語本文に混乱があり、解釈が困難なところらしい。
なので、「ガットの首府を奪った」と訳しているバルバロ訳では、その脚注で「『ガットの首府』と訳したところは原典が不明確なので確かな訳ではない」と丁寧に記している。
メテグ・ハアマを「大都市ガテとその衛星都市」としたのは、あくまでも、歴代誌の記者の一つの解釈。
もしかすると、一つの町の名前かもしれないし、別の事物を意味するかもしれない。
ちなみに、70人訳(ギリシャ語訳聖書)では、「ダビデはペリシテ人の手から貢物を取った」と訳しているとのこと。
まとめると、メテグ・ハアマとはガテ周辺にあった一つの町の名前かもしれないし、大都市ガテと衛星都市の総称かもしれないし、それとは別のペリシテ人による貢物かもしれない、ということろだろうか?
あと、これは余談だが「メテグ・ハアマ」という表記は、聖書の翻訳によって微妙に異なった表記になっている。
口語訳、新共同訳では「メテグ・アンマ」。
同じ新改訳でも新改訳2017では大きく翻訳を変えていることもあって「メテグ・ハ・アンマ」となっている。
最後に
と、ここまで「メテグ・ハアマ」という言葉についてダラダラと書いて来たが、これは聖書の全体の教えの本質的なところではない。
しかし、たまには、聖書の中のよく分からない言葉。
しかも、キリスト教の教の本質には関わらない、ある意味どうでもいい言葉を取り出して、それについて調べたり、考えたりするのも、聖書の学びとして面白いのではないだろうか?
もちろん、そればっかりではクリスチャンとして成長できないだろうから、あくまでもタマにね。